弁護士コラム

2022/1

事務所開設20周年

阿部 泰典

 当事務所は、平成14年4月に阿部と浦田で開設してから、今年の4月でちょうど20周年を迎えます。
 20年間、事務所を維持し発展させることができたのも、皆様からのご支援・ご指導があったからこそであり、厚く御礼申し上げます。
 この間、いろいろなことがありました。
 事務所開設当初の事件受任のきっかけは、ご紹介や弁護士会の法律相談を担当して、というのが多かった訳ですが、平成17年に事務所のホームページを開設した後は、当時はまだホームページを開設している法律事務所が多くなかったため、ホームページからのご依頼を多数いただき、当時は消費者金融の利息が利息制限法を超えており、債務整理や過払い金返還請求のご依頼がたくさんありました。
 裁判所からの破産管財人、個人再生委員の選任も多くありました。
 また、交通事故の被害者になった場合に損害保険会社が弁護士費用を保険金として支払う弁護士費用特約が各損保会社より発売されるようになり、顧問先の損保会社より被害者側の案件のご依頼が多数ありました。
 そうした案件が急増する過程において、原田、南竹が勤務弁護士として入所し、開設当初は、この関内JSビルの9階の半分のフロアーであった当事務所は、平成21年に8階のフロアー全体に移転することになりました。
 そんな折り、政府において司法改革が断行され、司法試験の合格者数が年間600人から最大2000人余りに激増し、弁護士人口が急増した(神奈川県内の弁護士の人数は、平成14年は約740人であったのが令和3年3月末時点は約1740人で、ちょうど1000人増えております)一方で、民事の通常訴訟の数は増えていませんので、弁護士一人当たりの民事の通常訴訟の受任件数は減りました。他方で、弁護士費用特約の一般化、成年後見事件の増加、離婚関連事件の難化等により、少額事件や解決が難しい案件は増えており、事務所で業務を遂行する時間は、相変わらず月曜日から土曜日は9時過ぎから23時30分過ぎまで、日曜日も家で仕事と忙しく、ふた昔前の定年退職の年齢(今年の2月で55歳)になっても、人間らしい生活をするのは当面無理そうです。
 そのような中、勤務弁護士からパートナー弁護士になるという当事務所における従来の流れとは別に、他の事務所から前田、室之園がパートナー弁護士として参画してくれ、当事務所に新しい風と力を注入してくれました。
 わずか20年の間ですが、社会情勢や弁護士を巡る情勢は大きく変化し、我々は時代の流れに翻弄されながらも、「わかりやすく、ていねいに」をモットーに、日々の業務を誠実に行って参りました。
 当事務所所属の弁護士も現在8名となり、これまで以上に充実したリーガルサービスの提供に邁進して参る所存ですので、皆様におかれましては、今後も、ご指導・ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。

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