弁護士コラム

2013/12

1年を振り返って

岩佐 理絵

 弁護士として働き始めて、ちょうど1年が経ちました。振り返ってみると、実に様々な経験を積ませていただいた1年でした。
 初めの数か月は慣れない弁護士業務に四苦八苦していましたが、先輩弁護士や事務員の方々に支えられ、1年間業務に邁進したことで、最近になってようやく「弁護士」が板についてきたのかなと自負しています。

 ところで、基本的人権の擁護と社会正義の実現という弁護士の使命から、弁護士は公益活動を行うことを義務付けられており、公益活動の代表的なものとして委員会活動があります。横浜弁護士会には50以上の委員会が設置されており、少なくともいずれか一つの委員会には所属している弁護士が大多数です。
私は、少年事件、子どもの虐待、いじめを含む学校問題等の子どもに関する問題を扱う「子どもの権利委員会」に所属しています。そのためかわかりませんが、少年事件を数件担当させていただきました。
少年事件では、少年の処遇を決定するにあたって、再非行の危険性・矯正可能性・保護相当性の有無(これを「要保護性」と言います。)が非常に重視されるため、要保護性を解消するための活動が重要になります。少年事件において弁護士は「付添人」と呼ばれますが、付添人の主な活動として、少年と何度も面会して少年の内省を深めること、少年の家庭・職場・学校・交友関係など少年を取り巻く環境を調整すること、家庭裁判所調査官と折衝すること、審判(成人の刑事事件における公判のようなものです。)で少年や少年の保護者の気持ちを裁判官に伝えられるよう手助けすること、などがあります。まずは付添人に対して少年の心を開いてもらわなければなりませんから、付添人は少年のもとに足繁く通い、何時間も話をすることになります。
少年の内省を深めることは少年の更生につながりますので、内省を深めることができるかどうかで、審判における処遇結果だけでなく、少年の今後の人生も大きく変わっていきます。内省を深めるのは少年自身であり、付添人ができるのは内省を深めるきっかけを与えることだけかもしれませんが、審判までの短い期間にもかかわらず、少年の内省が深まりどんどん変わっていく姿を見ると、「弁護士になって本当によかった。」と実感します。

 プライベートでは、テニスとゴルフを始めました。
横浜弁護士会には、当事務所の阿部弁護士が所属する野球部を始め、当事務所の原田弁護士、前田弁護士が所属するサッカー部、テニス部など、様々な部があります(運動部だけでなく文化部もあります。)。子どもの頃からテニスを習っていたことと、「裁判所=テニス」という勝手なイメージがあったことから、私はテニス部に入部し、テニスの練習に日々励んでいます。
ちなみに、かつては、庁内にテニスコートがある裁判所もあったようです(現在では裁判所内のテニスコートは全廃されています。)。裁判所の法廷もテニスのコートも、同じ「コート(COURT)」であることから、裁判所にテニスコートが設置されていたのかもしれません。
次に、ゴルフに関しては全くの初心者でしたが、以前から興味を持っていたため、今年の夏ころからゴルフレッスンに通い始めました。レッスンではなかなかいい当たりを出しており、「私にはゴルフのセンスがあるのかも。」などと密かにほくそ笑んでいたのですが、いざコースに出てみると、180を優に叩く始末…(なお、女性の平均スコアは110前後くらいでしょうか。)。センスがあると思っていたのはただの勘違いだったようです。

 めまぐるしく過ぎて行った1年でしたが、非常に多くのことを学ばせていただきました。来年も日々精進していく所存ですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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