弁護士コラム

2009/08

新人奮闘記

南竹 要

 今年1月に弁護士として職務を開始して早7ヶ月。必死で走り続けてきて夏が終わろうとしています。
事務所の先輩弁護士や事務員さんたちに支えてもらいながら,日々刺激ある生活をしております。

 新人であっても,相手方弁護士や裁判所が甘くなるわけがありません。私としては,新人だからといってなめられてはいけないという気概で取り組んでいます。
経験の差を,頼りがいのある事務所の先輩方のアドバイスと,「時間をかける」ということによって無くそうと取り組んでいます。
経験の差を埋めるツールとして,事務所には豊富な文献があります。これまで見た色々な事務所の中でも,法律文献がかなり充実しているおかげで,電話が鳴らなくなった夜に,文献を読みつつあれこれ思索や戦略を巡らすことができ,まさにその時間が法律家としてビリビリくるところです。
一方で,「小手先の法律論よりも,事実の持つ重み」という教えがあります。訴訟においては,客観的な証拠,動かぬ証拠を如何に発見するかが大事ですので,訴訟の準備としては,依頼者の方が体験した事実を,裁判官にも手に取るように分かるように,まずは,自分が体験した事実であるかのように把握できなければなりません。
そのためには,豊かな想像力が必要で,これまでの人生体験の引き出しをあれこれ開けて(引き出しがもっと多ければと思うことが多いですが)想像し,依頼者の方から聴くことが必要となります。
また,こちらの弱点に見える点,相手方が当然反論してくるであろう点については,批判に耐え得る事実があるかを確認する必要がありますので,依頼者の方との相談の際には,あえて厳しいところも聴くことになります。
このように,依頼者の方に有利な事実だけでなく,不利な事実もきちんと把握して,依頼者の方に最も有利な結果を引き出せるよう,最適な解決を提案することが大切です。
民事事件においては,最終的には,物のやりとりか,お金のやり取りで紛争を解決するというのが日本の法律の建前ですので,依頼者の方の心情面を含めた事件への想いを形に変えつつも,同時に,時間とコストを冷静に見極めて紛争を解決する指針を示すようにしています。

 という信念を持ちつつやっておりますが,結果を出すのがある意味すべてですので,良い結果を出せるように日々精進して参ります。新人奮闘記は続きます。

 

この弁護士のコラム一覧